峰守備忘目録《ミネモリビボウモクロク》

小説家・峰守ひろかずが、自著リストや短編小説を公開しているブログです。

記事一覧(2024/03/05最終更新)

Works(著作や関わった刊行物など。おおむね最新巻の刊行順です)

Novels(短編小説です)

同人誌リスト(2023/08/31更新)

※この記事は常に一番上に表示しています。各項目は随時更新します。

少年泉鏡花の明治奇談録



 明治21年、古都・金沢で働く実直な人力車夫・義信(よしのぶ)は、仕事で必要な英語を学ぶために私塾「井波塾」を訪れ、塾の寄宿生でありながら雇われ英語講師でもある少年・泉鏡太郎(いずみきょうたろう)と出会う。

 思いのほか高い受講料に尻込みする義信に、鏡太郎は「怪異の噂を教えてくれば支払いを待つ」「本物の怪異に遭遇できたら受講料は免除する」と提案する。鏡太郎は「おばけずき」と呼ばれる怪異愛好家であったのだ。

 かくして義信は、街中で怪しい噂を聞き集め、鏡太郎とともにその真相を調べに奔走することになる。立入禁止の化物屋敷、人を獣に変える妖女、生贄を求める古き竜神金沢城跡に現れる幽霊、羽を生やして空を飛ぶ女……。

 後に幻想文学の大家・泉鏡花となる少年は、郷里で過ごした少年時代に後の代表作を思わせる事件と巡り合っていたのでは?という趣向で描く、金沢のご当地伝承多めの明治伝奇連作ミステリー。装画は榊空也さまです。

 2023年8月3日に第1巻、2024年3月5日に第2巻「城下のあやかし」が発売されました。 

www.poplar.co.jp

 第1巻です。「草迷宮」「高野聖」「夜叉ケ池」「天守物語」「化鳥」の五編を収録しています。

 

www.poplar.co.jp

 第2巻です。「海神別荘」「茸の舞姫」「貝の穴に河童の居る事」「竜潭譚」「朱日記」の五編を収録しています。

 

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↓1巻発売前に自分で書いた登場人物紹介記事です。

新刊「少年泉鏡花の明治奇談録」登場人物紹介の巻 - 峰守雑記帳

 

↓ 本書(1巻)刊行に際して受けたインタビュー・紹介記事です。

naniyomo.com

mainichi.jp

www.yomiuri.co.jp

 

少年の鏡花が題材 金沢、野々市で峰守さん小説PR|生活|石川のニュース|北國新聞

予言獣大図鑑

 ユルく、愛らしく、謎な獣たち! 予言獣はこんなにいた!

 150点以上の資料を収めた、本邦初の予言獣大図鑑。

 予言獣を再定義し、十二系統に分類。それぞれの名称・別名・収載資料名・所蔵機関・資料形態・予言獣出現日・図版・翻刻・現代語訳を収録。図書館司書・アーキビストである長野栄俊が蒐集してきた資料をもとに編んだものである。(公式サイトの紹介文より引用)

 

bungaku-report.com

 コロナ禍で知名度を上げたアマビエを始め、予言を行う怪しい獣「予言獣」の図像とテキストを(編集時点で知り得る限り)全点掲載し、分類し、解説した図鑑です。2023年12月8日に発売されました。

(※小説ではありません。)

 本書の編集の中心となったのは、司書であり、アーキビストであり、アマビエブームの渦中によくメディアでコメントしておられた長野栄俊さん。コロナ禍以降、予言獣関連の記事を多く手掛けられた記者である岩間理紀さん、クダンの研究者として知られる笹方政紀さんも加わっております。

 私(峰守)は共著者として参加し、「予言から疫病退散へ ─刊行物・報道から見るアマビエの属性の変質と定着─」というやや長めの文章一つと、「「ヨゲンノトリ」繁盛記」「アマビエ=変容する妖怪?」という短いコラムを二本書いています。

ゲゲゲの鬼太郎(第6期ノベライズ)

 ある日、渋谷のスクランブル交差点で何人もの通行人が一斉に木に変わった。原因不明のその事件をめぐり、中学一年生の犬山まなは、路地裏で見つけた妖怪ポストに手紙を出すことになる。妖怪なんているわけないと半信半疑のまなだったが、奇妙で不敵な少年が現れる。カランコロンと響く下駄、片目を隠す長い髪、黒と黄色のちゃんちゃんこ。名を問われた少年は言う、「僕はゲゲゲの鬼太郎だ」――。

 水木しげる先生原作作品「ゲゲゲの鬼太郎」の第6期TVアニメ(2018年~2020年放映)の児童向けのノベライズです。2023年10月発売の第5巻「名無しと真名」で完結しました

ゲゲゲの鬼太郎(1): 妖怪が目覚めた日 (ポプラキミノベル みー 06ー01)

www.kiminovel.jp

 第1巻には、アニメ第1話「妖怪が目覚めた日」、第2話「戦慄! 見上げ入道」、第3話「たんたん坊の妖怪城」をノベライズした3編を収録しています。

 

www.kiminovel.jp

 第2巻には、アニメ第6話「厄運のすねこすり」、第10話「消滅! 学校の七不思議」、第14話「まくら返しと幻の夢」をノベライズした3編を収録しています。

 

www.kiminovel.jp

 第3巻には、アニメ第15話「ずんべら霊形手術」、第20話「妖花の記憶」、第23話「妖怪アパート秘話」をノベライズした3編を収録しています。

 

www.kiminovel.jp

 第4巻には、アニメ第27話「襲来! バックベアード軍団」、第28話「妖怪大戦争」、第29話「狂気のフランケンシュタイン」をノベライズした3話を収録しています。

 

www.kiminovel.jp

 最終巻となる第5巻には、第35話「運命の魔女たち」、第36話「日本全妖怪化計画」、第37話「決戦!! バックベアード」、第47話「赤子さらいの姑獲鳥」、第48話「絶望と漆黒の虚無」、第49話「名無しと真名」をもとに再構成した内容を収録しています。

その他に書いたもの・インタビュー・出演記録など

 書籍化されていない書き物やエッセイ、インタビュー、出演記録などです。上に行くほど新しいものです。(一部、リンク切れが発生している箇所があるかもしれません)

 

nhkbook-hiraku.com

 コミカライズ版電子書籍の配信が始まった往年の名作、長谷川裕一先生の「飛べ!イサミ」と西川伸司先生の「YAT安心!宇宙旅行」を紹介する文章を寄稿しました。2023年8月26日、NHK出版が運営する「本がひらく」で公開されました。

 

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  • ダークサイドミステリー「学校の怪談」子どもがささやく怪異の闇

www.nhk.jp 

 NHK BSプレミアムで2023年4月6日に放送された「ダークサイドミステリー「学校の怪談」子どもがささやく怪異の闇」の回に、スタジオゲストとして出演しました。

 

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  • 『すごい科学で守ります!』のここがすごい! 峰守ひろかず(小説家)

nhkbook-hiraku.com

  漫画家の長谷川裕一さんが東映特撮ヒーロー作品の世界観を考察したシリーズ「すごい科学で守ります!」がNHK出版より「グレート合体愛蔵版」として再刊されたのに伴い、本シリーズの魅力を語った文章を寄稿しました。2023年2月24日、NHK出版が運営する「本がひらく」で公開されました。

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今昔ばけもの奇譚 五代目晴明と五代目頼光~

 院政が常態化して朝廷の権威がどんどん失われ、平安時代がいよいよ終わりかけている12世紀初頭。酒吞童子退治の英雄の子孫ながら気弱で和歌好きの青年・源頼政(みなもとのよりまさ)は、関白直々に、治安維持のため宇治へ出向するよう命じられる。

 一昔前までは閑静な静養地だった宇治は今や、荘園や私領が乱立し、怪しい連中が跋扈する治外法権空間と化していた。そんな土地で頼政が出会ったのは、安倍家嫡流でありながら、晴明や陰陽道の神格化に猛反対し、平等院の経蔵に籠っているクールな天才少年陰陽師・安倍泰親(あべのやすちか)であった。

 英雄の五代目同士共感しあった頼政と泰親はひとまず最初の事件を解決するが、怪しい事件は次から次へと起こる。堂々と絡んでくる怪しい外術師、暗躍する謎の集団。さらに平等院の宝蔵には平安朝が絶対に隠したい秘密があるようで……。

 人魚、橋姫、鵺、龍、妖狐、鬼の王などなどの平安朝を悩ませる怪異たちに、先祖の高名に苦慮する若者コンビが挑む平安末期バディ伝奇ミステリー。2022年3月に第1巻「五代目晴明と五代目頼光、宇治にて怪事変事に挑むこと」、2023年1月に第2巻「五代目晴明と五代目頼光、百鬼夜行に挑むこと」が発売されました。

(1巻発売にあわせて書いた紹介記事です→「今昔ばけもの奇譚 五代目晴明と五代目頼光、宇治にて怪事変事に挑むこと」発売記念セルフインタビュー|峰守ひろかず|note

(P[み]6−4)今昔ばけもの奇譚 

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