峰守備忘目録《ミネモリビボウモクロク》

小説家・峰守ひろかずが、自著リストや短編小説を公開しているブログです。

お世話になっております。陰陽課です

「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」!

 念願適って公務員となり京都市に採用された生真面目女子、火乃宮祈理(ひのみやいのり)。理念追及に燃える彼女が配属された先は、京都の街で人に混じって生き続ける妖怪達の生活を守るための秘密の部署、通称「陰陽課」で、直属の上司はガラの悪い公認陰陽師、五行春明(ごぎょうはるあき)であった。チンピラじみた春明に辟易しながらも、「全体の奉仕者」として、妖怪達のために働こうとするのであったが。

 京都を舞台に、妖怪達の平穏な日々のために働く公務員コンビを描くお役所お仕事小説。装画・口絵は四季アミノ様です。 2017年9月末時点で4巻まで出ており、ひとまず完結しています。

 各巻については以下をご覧ください。各巻タイトルからメディアワークス文庫公式サイトの該当ページに飛べます(リンク先から購入・試し読みも可能です)。

  京都御苑の森を怪人が駆け、送り火の空には怪鳥が飛び、怪しい女はタクシーの後部座席を濡らして消える! 妖怪絡みの事件が続発する夏の京都でお役所コンビが頑張る第2巻。1巻が春の話でしたので、こちらは夏の話です。

 

  病院での老女との再会で、春明は数十年前に解決済みの事件のことを、そして自分の過去を思い出す。秋の京都に暗躍する怪人の正体とは。長寿の種族が人に交じって生きることの意味を問う第3巻です。秋のお話でありつつ、春明の過去のエピソードも入っております。

 

  事件が続く冬の京都に降臨する安倍晴明。大陰陽師の登場に、春明は、そして祈里は公務員としてあるべき姿を問われることになる。「全体の奉仕者」の意味を真摯に問う第4巻。年末年始から新年度開始までのお話です。ひとまずここでクライマックスとなっております。綺麗に締めくくれたと個人的には思っています。

 

 メディアワークス文庫と富士見L文庫のコラボ企画として「カクヨム」用に書き下ろした特別編です。