峰守備忘目録《ミネモリビボウモクロク》

小説家・峰守ひろかずが、自著リストや短編小説を公開しているブログです。

帝都フォークロア・コレクターズ

 百年使える妖怪事典を作るのだ──!

 時は大正。鉄道網や通信網が全国を覆い、第一次世界大戦ロシア革命が起こっていた時代。近代化の陰での古来の怪談や風習の衰退を憂えた貴族院書記官長、通称《先生》は、私費で調査隊「彼誰(かわたれ)会」を設立した。その目的は消えゆく妖怪達の情報を収集、記録することである。

 元カフェ店員の文学少女・白木静(しらきしずか)はひょんなことから「彼誰会」の記録係に採用され、短銃使いの生真面目な日露ハーフ・石神射理也(いしがみいりや)、女好きな落語家崩れ・多津宮淡游(たつみやたんゆう)の二人と全国を奔走することとなる。

 まだフォークロアが「民俗学」とは呼ばれておらず、妖怪達がリアルな存在だった最後の時代を、生真面目書生と不真面目噺家と元気文学少女が駆けて調べてたまに戦う!民俗学黎明期の史実や学説をモチーフにした大正伝奇冒険活劇です。

(メディアワークス文庫公式サイトの紹介ページです)