民話や伝承を好む気の小さい大学生・伊緒(いお)は、二十歳の誕生日の日、気が付くと見知らぬ村の入り口に立っていた。深い山に囲まれ、小さくて寂れたその里は、現世に居場所を失った精霊や神や妖怪たちがひっそり暮らす異郷──「隠れ里」であったそうな。
白蛇の化身である優しい若者・七郎(しちろう)に迎え入れられた伊緒は、やむを得ず里の宿屋で暮らしながら、元の世界に帰る方法とこの里に招かれた理由を探していくことになるのじゃったが、里の回りには妖怪がうようよしているし、里の住人は非協力的だし、色々大変で……。
気弱で昔話好きの女子学生と温和な白蛇の若者、そして現世に居場所をなくしたものたちが織りなすノスタルジックな恩返しの物語。カバーイラストは空梅雨様です。
- KADOKAWAの本作紹介ページです→ うぐいす浄土逗留記 | 書籍情報 | 富士見L文庫
- 発売に合わせて書いた紹介記事です→「うぐいす浄土逗留記」発売記念セルフインタビュー|峰守ひろかず|note